プログラムでおかえしできるかな

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月の写真の撮り方(月食の写真を添えて)

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月の写真の撮り方を簡単にまとめてみました。

遅ればせながら 2022年11月8日に自分で撮った月食の写真を紹介します。

目次

今はスマホで何でも綺麗な写真が撮れるようになっているようです。
そういうスマホを持っていないので、古いデジカメで撮った写真をブログに載せています。
そんな私でも月や月食の写真が撮れます。
詳しい専門家の解説は記事末にリンクがありますが、ここでは素人的にまとめた内容を紹介します。

内容は、カメラの撮影モードをマニュアルにして撮影する時の方法です。

はじめに、この後何度も出てくる用語を説明します。
露出(写真を撮るときに取り込まれる光の量)を決める設定値(撮影条件)です。

  • シャッタースピード(露出時間)
    光を取り込む時間を調節(早いと光は少なく、遅いと多く取り込まれます)
  • F値(絞り)
    光の量を調節(絞る(大きく)と光は少なく、開く(小さく)と多く取り込まれます)
  • ISO感度
    撮像素子の光の感じやすさを調節(低いと光を感じにくく、高いと感じやすくなります)

撮った写真を列挙(こちらに)したので見比べて撮影条件の参考にしてください。

ちなみに使用したカメラは2007年発売のキヤノンPowerShot SX100 IS です。
光学ズーム10倍、デジタルズーム4倍、併せて40倍ズームができます。
載せている写真は、40倍ズームで撮ったものです。

◆月を撮影する時に押えておくポイント

月を撮影する際にこれだけは準備した方が良いという物や事を挙げました。

  • 三脚を用意
    シャッタースピードを遅くしないと月を撮影できないので、手持ちではどうしてもカメラが動いてしまいます。
    三脚でカメラをしっかり固定します。
  • セルフタイマーを設定
    三脚を使ってもシャッターを押した時にどうしてもカメラが動いてしまいます。
    それを避けるにはセルフタイマーを設定します。一番短い設定で大丈夫です。
  • 月を撮る時のカメラの撮影条件の設定(満月時)
    カメラにはいろいろな撮影モードがありますが、マニュアルにして撮影条件を自分で指定して撮影します。

◆明るさの調整

前述の撮影条件で月を撮ってみて、明るいな、暗いなと思った時の調整方法です。

  • もし撮影された画像が暗い時、以下のいずれかで調整
  • もし撮影された画像が明るい時、以下のいずれかで調整

撮れた写真を見てきれいに撮影できたと思えるような撮影条件を見つけます。

月はその満ち欠けによって光の量が変わります。
その光の量に合わせて撮影条件を変えて撮影しなければなりません。
半月や三日月は先人が設定値を残してくれていますので、参考にしてください。

シャッタースピード F値 ISO感度
満月 1/800 8.0 400
半月 1/200 6.3 400
三日月 1/200 6.3 800

月食の時はシャッタースピードだけで

月食は短時間の間に半月になって三日月になるようなものなので基本的には満月、半月、三日月を撮影するのと同じような撮影条件で撮影します。

ただし、短時間の間に複数の撮影条件をいじると混乱するのでシャッタースピードだけで対応する方法が初心者にはやりやすいです。

連続写真にするのでなければ、短時間といっても時間に余裕はあるでしょうから、撮影条件を複数変えて試してみるのも良いです。

特に月食の場合、暗い部分も写したいと思うとシャッタースピードだけではなく F値も変える必要が出てきます。

◇余裕があればホワイトバランスも変えてみましょう

月食の撮影の場合、ホワイトバランスは「オート」より「太陽光」で固定します。
その方が月食の赤みが撮影できます。

ホワイトバランスには、オート、太陽光、曇り、電球、蛍光灯などがあります。
ホワイトバランスを「曇り」に変えると月の赤みが増します。
余裕があれば、試してみてください。

月食の写真

2022年11月8日の月食のかけ始めから食の最大あたりまでの写真を紹介します。
写真の下の記述は、時刻、シャッタースピードF値ISO感度です。

18:321/400F8.0ISO400
18:331/320F8.0ISO400
18:331/500F8.0ISO400
18:361/500F8.0ISO400
18:371/400F8.0ISO400
18:381/400F8.0ISO400
ここでホワイトバランスを「オート」から「太陽光」に切り替えました
18:381/400F8.0ISO400
18:411/400F8.0ISO400
18:461/125F8.0ISO400
18:501/200F8.0ISO400
18:501/200F8.0ISO400
少し赤いのはホワイトバランスを「曇り」に変えています
18:561/200F8.0ISO400
18:561/100F8.0ISO400
18:571/80F8.0ISO400
シャッタースピードを変えて
18:571/60F8.0ISO400
19:041/60F8.0ISO400
19:091/20F8.0ISO400
19:101/10F8.0ISO400
19:121/4F8.0ISO400
19:151/4F8.0ISO400
19:161/4F5.6ISO400
F値(絞り)を変えて月全体が撮れるか試しています
19:171/4F8.0ISO400
F値(絞り)を戻すと暗くなります
19:171/4F5.6ISO400
19:301/4F5.0ISO400

◆ビューア

自作の画像ビューアを紹介します。
今回、この記事を書くために修正して露出時間やF値を表示するようにしました。
詳しくはこちらの記事を参照してください。
 📖 PillowでExif情報の撮影条件を取得【Python】 🔗

◆今後の月食

国立天文台のサイトの情報によると日本で次にみられる皆既月食は、
2025年09月08日
だそうです。かなり先ですね。
それまでに普通の月(三日月、半月、満月などで)で撮影の練習をすると良いかもしれません。

  • 2025年3月14日
  • 2025年9月08日
  • 2026年3月03日
  • 2029年1月01日

月食の情報サイト:月食一覧 | 国立天文台(NAOJ)

◆さいごに

2022年11月8日の月食の後、すぐに公開したかったのですが、画像ビューアに撮影条件が出ていないのが分かり、それを対応してから公開することにしました。

月は何度か撮影していると何とかそれなりに撮影できるようになります。
夜空には他にも撮影対象があって、土星木星も撮ってみたいと思っています。
土星木星は肉眼でも見えるので、撮影できそうな気がしてなりません。
でも、今持っているカメラで土星木星を取っても、小さな丸にしか見えませんでした。
土星の輪っかを撮影できたらなぁと思います。


あわせて読みたい 📖 「きぼう」という名の流れ星 🔗

◆参考

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