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2024年から1000円徴収の森林環境税で緑地を増やして

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森林環境税をご存知ですか。
2024年から一人1000円を徴収されています。
ぜひ、緑地を増やすことに使って欲しいです。
森林環境税にまつわる税金のことと植物のことを綴ります。

目次

◆はじめに

2024年度から森林環境税というのが一人年額1000円、住民税とあわせて取られています。
そんな法律が成立したのも知らなくて、この機会に調べてみました。

◆森林環境税と森林環境譲与税

2024年度から森林環境税として一人年額1000円を徴収されます。
住民税の均等割りの仕組みを利用して同じように徴収されます。
使い道が決まっている国税です。

集めた税金は都道府県・市町村へ譲与します。
それが森林環境譲与税です。
国税を地方公共団体に譲与するお金を譲与税というようです。
60年以上生きてきて初めて譲与税という言葉を知りました。

森林環境譲与税は、市町村においては、「森林整備及びその促進に関する費用」に、また、都道府県においては「森林整備を実施する市町村の支援等に関する費用」に充てることとされています。都道府県・市町村は、インターネットなどを利用してその使い道を公表しなければなりません。 総務省

森林環境譲与税は、上記にあるように使途が明確になっており、公表の義務があります。
実際、地方公共団体のホームページで公表されています。

使途は具体的に次の様なものです。

【森林環境譲与税の使途】

  • 森林の整備
    • 植栽   :樹木を植える
    • 下刈り  :樹木の生育の妨げになる草木を刈り取る
    • 間伐   :樹木が混みあわないように一部の樹木を伐採する
    • 林道の整備:上記の作業を行えるように整備する
  • 森林整備を担う人材の育成
    • 研修  :林業の担い手を育成
    • 購入保持:安全防護服など
    • 助成  :技能研修費など
  • 木材利用・普及啓発
    森林整備で伐採された木材の有効利用
    • 公共建築物の木造・木質化
    • 植樹・木育などのイベント


使途の主たるものは森林の整備だそうです。

個人的には緑地の増設に使って欲しいです。
というのは、地球温暖化対策の一番は緑を増やすことだと思っているからです。
二酸化炭素の排出量は削減できても、二酸化炭素の量は削減できていません。
量の削減には、緑を増やすのが一番だと思っています。

緑地は、二酸化炭素削減だけでなく、地表の温度を下げることにも貢献してくれます。
木陰に入った時の涼しさは誰でも実感できると思います。

緑地をつぶしコンクリートだらけにしてしまった都市は太陽の照り返しも手伝ってますます地球を暑くしています。
休耕地に太陽光パネルを設置しても、発電量は微々たるものです。
それよりそこを林にした方が、二酸化炭素を減らしてくれるはずです。

◆赤外線カメラで見れば植物の力が歴然

植物は蒸散といって植物体内の水分を空気中に排出する仕組みを持っています。
この蒸散で気化熱を奪って気温を下げてくれます。
もちろん光合成で二酸化炭素を取り込んでもくれます。

植物がいかにまわりの温度を下げているかは赤外線カメラ画像を見れば一目瞭然です。
視覚的にわかりやすく紹介している記事が、
樹木医の岩谷美苗さんのブログ「街の木コレクション」に掲載されています。

動画も公開されています。

立っている木の画像が印象的です。
水柱が立っているような感じです。
コンクリートよりも土、土よりも草、草よりも木にした方が周りの温度を下げてくれそうです。

我が家には生垣があって、ナツツバキ、フェイジョア、ロウバイ、サザンカ、モミジもあるので、少しは立体的に周りの温度を下げることに貢献してくれているでしょう。
門から玄関までインターロッキングなのですが、植物に変えた方がいいかな、なんて思ってしまいます。

◆地球温暖化対策税

森林環境税の話をしてきましたが、環境税にはもう一つ地球温暖化対策税というものもあります。

この税は基本的な働きとして化石燃料の価格を税で上げてその使用量を抑制するものです。
つまり、化石燃料の使用を抑えたり、省エネ率の高い製品に買い換えたりすることでCO2排出抑制を実現しようとしています。

徴収した税は、CO2排出抑制の諸施策に使われます。
省エネルギー対策、再生可能エネルギー普及、化石燃料のクリーン化・効率化などと説明されていますが、私にはよく分かりません。
調べても具体的には出てきません。

ただし、森林環境税が掲げている使途は森林環境譲与税で賄うため含まれていません。
そんなにお金が必要なのでしょうか。

どのくらい家計の負担になっているのか、簡単に整理してみました。
使えば使うほど税金を支払うことになります。

  • 地球温暖化対策税の単位当たりの金額
    • ガソリン:0.76円/ℓ
    • 灯油  :0.76円/ℓ
    • 電気  :0.11円/KWh
    • 都市ガス:0.647円/Nm3
    • LPG   :0.78円/kg

ガソリンについては、他にも税がかけられています。
よく話題になりますが、いい機会なので紹介します。

  • ガソリン価格に含まれる税金
    • ガソリン税 :53.8円/ℓ
    • 石油石炭税 :2.04円/ℓ
    • 温暖化対策税:0.76円/ℓ
    • 消費税:上記の税を含めた金額の10%

集めた税を何に使ったのか詳細に公表して欲しいですね。

◆さいごに

いつも思います。
国は、お金を効率的に集めることは一生懸命に考えるけど、お金を効率的に使うことには関心が薄いなぁと。

昔からよく聞きます。
予算を使いきらないと翌年の予算が付かないと。
節約が悪のように聞こえてしまいます。
節約が褒められるようになって欲しいです。

2022年度の温室効果ガス排出・吸収量の実績が環境省から報告されています。1
それによると森林などからの吸収量は2014年以降毎年少なくなっています。
その理由は、「人工林の高齢化による成長の鈍化等が主な要因」としています。

森林環境譲与税、その使途に植林が増えるのを期待します。


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◆参考

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