プログラムでおかえしできるかな

定年を過ぎて何かの役に立てないかなと始めた元SEのブログです

新型コロナとインフルエンザの流行を知る

このエントリーをはてなブックマークに追加

新型コロナ、インフルエンザ、どちらも流行ると怖いですね。
どちらも流行ると都道府県から注意報や警報が出ます。
注意喚起の基になっている定点当たりの患者数を色分け地図にしてみました。
新型コロナとインフルエンザの患者数の変化が地図で分かります。
地図を作成したアプリも提供します。

目次

◆新型コロナが5類感染症

2023年5月8日から新型コロナが5類感染症になり、もうだいぶ経ちます。

色々と変わったところがあります。 1
その中で、私が一番気になっているのは、「今、はやっているのか落ち着いているのか」がよくわからないということです。
これまでは新規感染者数でなんとなく判断していました。
ですが、新規感染者数が公表されなくなりました。

新規感染者数で判断といっても、指標を理解していたわけではないので、どのくらいの人数になったら注意が必要なのか、はっきり分かっていた訳ではありません。
漠然と例えば県で1000人を超えていると「まずいかな」などと思っていました。

5類感染症に移行になり、全新規患者数の代わりに定点把握している1医療機関当たりの平均患者数が公表されています。
まず分からないのが、この人数が何人だと、今までの新規感染者数が1000人に該当するのだろうかということです。
しかし、そこを気にしても意味がないようです。
というのも、定点把握なので、そこから新規患者数にあたる数を推定しても、無理があるようです。

5類感染症では、以前から注意勧告レベルを設定し、それで判断できるようにしています。
新型コロナも同様に注意勧告レベルを設定しています。
こちらで判断するのが良いようです。

新型コロナウイルス感染症の位置づけは、これまで、「新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)」としていましたが、令和5年5月8日から「5類感染症」になりました。 厚生労働省

◇定点把握

5類感染症のインフルエンザなどは、医療機関の中から選定された「定点医療機関」からの報告を基に患者数を報告しています。
新型コロナも5類に移行したため、同様の報告方法に変わりました。

日本医事新報社のサイトに説明があったので引用します。

定点あたり報告数のメリットとデメリット

「定点当たり報告数」とは,対象となる感染症について,すべての定点医療機関からの報告数を定点医療機関数で割った値のことで,1医療機関当たりの平均報告数のことです。ほかの地域や全国レベルで流行状況を比較する場合などに有効です。

一方、定点医療機関の数は限られているので,各地域の流行状況を評価するのに十分な数とはなりません。また,各医療機関の規模や診療科目の違いなどによって,患者数や患者の年齢構成がかなり異なっている可能性もあります。 日本医事新報社

全数(実際の罹患者数)の推定

従来,インフルエンザの全数の推定は,「医療機関の施設数」(定点当たり報告数×全医療機関の施設数)を用いていましたが,医療機関の規模が適切に反映されず,推計が過大となる傾向が指摘されていました。そのため,2018/19シーズンからは,実態をより反映できるように「外来患者延べ数」を用いた推定方法〔(定点医療機関からの報告数を,定点医療機関の外来患者延べ数で割った値)×全医療機関の外来患者延べ数〕に変更となりました。 日本医事新報社

◆定点報告の注意喚起

新型コロナやインフルエンザなど定点報告している疾病については、注意喚起の指標が提示されています。
インフルエンザは全国で統一したレベルが設定されていますが、新型コロナは暫定的に都道府県でレベルを設定しています。

◇新型コロナ

新型コロナに関する定点報告の注意報レベルは、都道府県が決めるため都道府県によってまちまちです。

厚労省の事務連絡はこちらです。
set【事務連絡】注意喚起の目安 - 001133038.pdf

いくつかの都道府県の注意報レベルをサンプルとして紹介します。
その他の都道府県の注意報レベルについては、必要なら別途ご確認ください。

◇インフルエンザ

インフルエンザは全国で決まった判断基準があります。
インフルエンザについて紹介します。

疾病 警報レベル
開始基準値
警報レベル
終息基準値
注意報レベル
基準値
流行期入り
目安
インフルエンザ 30 10 10 1.00

参考までに東京と大阪のサイトを紹介します。

◆患者数の遷移

2023年は、インフルエンザの流行が例年になく早いという報道もあったので、新型コロナとインフルエンザを比較しながら見られるようにしてみました。
表示しているのは、都道府県ごとの定点当たりの報告数を日本地図に色別に表示したものです。
週ごとの比較ができるように、報告数の最大値を40に固定しています。
そのため、報告数が全国的に少ない週は、地図に色が付いていないように見えますが、実際には報告数は0ではありません。

◇6月~9月の遷移

6月~9月の新型コロナとインフルエンザの定点あたりの患者数です。

6月はどちらも全国的に少ないです。
7月はどちらも九州で増えてきているのが分かります。
インフルエンザで青森県がグレーなのは報告がなかったためです。
8月になると新型コロナが全国的に少し増えているのが分かります。
9月になると新型コロナがさらに増えています。

6月5日の週
7月3日の週
8月7日の週
9月4日の週

◇10月4週の遷移

10月の新型コロナとインフルエンザの定点あたりの患者数です。

9月に増えていた新型コロナの患者数が10月に入って落ち着いてきました。
インフルエンザが週ごとに増えてきています。
23日の週は愛媛県が最も多く51.46人です。
9月4日の週の新型コロナは最大が宮城県の32.47人です。

比較するとピークは10月23日のインフルエンザの方が高いけれど、全国的な流行は9月4日の週の新型コロナの方があったということでしょうか。

10月2日の週
10月9日の週
10月16日の週
10月23日の週

◇その他の色分け地図

上記の地図は、報告数の増減が分かるように最大値を固定して作成しました。
その他にも次のような地図を後述のアプリで作成できます。

最大値を疾病ごとにした地図
新型コロナだけの地図

◆アプリのサンプル画像と機能・特長

色分け地図を作成するために作成したアプリを紹介します。
色分け地図とは、患者数に応じた色で都道府県別に色分けした地図です。

ここでは国立感染症研究所のデータを基に患者数で都道府県を色分けしました。

新型コロナが月ごとにどう増えたり減ったりしてきたのかを視覚的に見たくて、色分け地図を作成しました。

◇サンプル画像

▽作成される色分け地図

▽起動後の画面と日付指定のダイアログ

 

◇機能・特長

  • 新型コロナとインフルエンザの定点あたり報告数を色分け地図(階級区分図)でブラウザ表示します
  • 地図上にツールチップで報告数を表示します
  • 週(日付を指定)を指定して作成できます
  • 報告数の上限を固定して作成できます
  • 新型コロナ、インフルエンザの一方だけを作成することができます

◆アプリの使い方

アプリの使い方を説明します。

プログラムの作り方は アプリは Python で作成しました。アプリの作成方法が知りたい方は、別記事をご覧ください。
📖 foliumのChoroplethで色分け地図を作成【Python】 🔗 更新:2022-12-25

◇使い方

  • 起動

    • Fixed_point_disease.exe を実行します
  • 操作

    • 地図の生成
      • 地図作成ボタンを押します。処理が終わると
        「地図をブラウザに表示しました」とメッセージが出ます
        exe のあるフォルダに HTML ファイルが作成されます
        • COV_flu_map.html:新型コロナとインフルエンザの地図
        • COVID-19map.html:新型コロナの地図
        • インフルエンザmap.html:インフルエンザの地図
    • 週(日付)の指定
      • 日付エントリーの数字を直接修正
      • ▼をクリックしカレンダーから選択
    • 最大値を40に固定
      • 最大値チェックボックスにチェックを付けます
      • チェックを外すと、報告数の最大値を基に設定します
    • 感染症の選択
      新型コロナチェックボックス、インフルエンザチェックボックスをチェックします
      • 新型コロナ:新型コロナの地図を作成します
      • インフルエンザ:インフルエンザの地図を作成します
      • 両方:新型コロナとインフルエンザを並べた地図を作成します
  • 画面の説明

    • 地図作成ボタン        :色分け地図を作成します
    • 日付             :週(日付)を指定します
    • 最大値チェックボックス    :最大値を固定するか指定します
    • 新型コロナチェックボックス  :地図を作成するか指定します
    • インフルエンザチェックボックス:地図を作成するか指定します

◇制限事項

  • 国立感染症研究所のデータは火曜日に前々週のデータが掲載されます
    データのない週の日付を指定した場合はその旨エラー表示します
  • 2023年5月8日より前の週はインフルエンザのデータだけ表示します

◇謝辞

アプリ内ではこちらのデータをWebから読み込んで処理しています。
データの公開に感謝申し上げます。

◆アプリの取得方法

アプリの取得方法を説明します。

◇取得と保存

exe ファイルを含んだ zip ファイルを下記からダウンロードして取得します。
ダウンロードした zip ファイルを解凍すると次のファイルができます。(他にもreadmeなどが入っています)
任意のフォルダにファイルを保存してください。

◇インストール

  • インストール
    ダウンロードした zip ファイルを任意のフォルダで解凍します
  • アンインストール
    解凍したファイルをすべて削除します

◇動作環境

◇免責事項

ご利用に際しては、『免責事項』をご確認ください。
お気づきの点がございましたら『お問い合わせ』からお問い合わせください。

◆さいごに

こんなことを調べ始めたきっかけは、いつ、マスクを外そうかと思ったからです。
新型コロナにもインフルエンザにも、マスクは完全でないにしても効果があると思っています。
新型コロナが5類に移行してマスクの着用も自己判断になりました。
インフルエンザが例年より早く流行の兆しがあるとの情報も入ってきます。
これまでインフルエンザが流行ったからといって、マスクをしていたことはありませんでした。
でも、新型コロナの後遺症のブログ記事を見るにつけ、新型コロナには罹患しないに越したことはないと思っています。

地図を作ってもマスクをいつ外すか、まだ決まっていません。

せめて先週のデータが見れたらなぁ・・・

あわせて読みたい 📖 ひざ痛とつま先立ち 🔗

投稿: 、更新: