Windows7 PC を処分するにあたり、ハードディスクを初期化しました。
売るにしても捨てるにしてもハードディスクを初期化しておくと安心です。
初期化方法を紹介します。
目次
- ◆はじめに
- ◆システムディスクの初期化(データ消去)方法
- ◆ブータブルメディアの作成(Rufusの準備と使い方)
- ◆システムディスクの初期化(wipe-outの使い方)
- ◆USBドライブが正しく認識されなくなった場合の対処
- ◆その他のツール
- ◆ログインパスワード変更
- ◆さいごに
- ◆参考
◆はじめに
パソコンを処分する場合、ハードディスクに入っているデータをきちんと削除しないと個人情報や人に見られたくない情報が人手に渡ってしまうリスクがあります。
普通にファイルを削除した場合、ゴミ箱に入るだけでファイルは消えません。
ゴミ箱から削除するとファイルが消えますが、そのようにして消したファイルを復元するソフトが存在します。
そのため、復元できないようにファイルを削除するソフトも存在します。
今回は、普段、そのようなソフトを使っていなくても復元できないようにハードディスク全体を初期化する方法を紹介します。
ハードディスクの初期化は OS がインストールされているディスクを対象外としているツールが多いです。
今回は、ハードディスクに OS がインストールされているものを対象にしています。
また、OS は Windows7 を対象にしています。
実際に Windows7 の PC で実施した内容で説明してます。
新しい OS でも実施可能だと思いますが、検証していないのでご自身で判断してください。
OS がインストールされているハードディスク(システムディスク)を初期化する場合、別のメディア(ブータブルメディア)に OS を用意してそれで起動する必要があります。そうしないと初期化中にアクセスしてしまうためです。
今回、ブータブルメディアとして USB HDD を使用しました。
USB メモリーもほぼ同じだと思いますが、未検証です。
CD という選択肢もありますが、手元にメディアがなかったことと使い捨てになってしまうことで選択しませんでした。
パソコンがいつも起動しているハードディスク以外のメディアから起動できるかどうかは、BIOS の設定に依ります。
ここは、機種依存になるので詳細説明は省略しますが、概要は次の通りです。
- 電源投入直後 BIOS セットアップ起動キーを押します
F2 とか Ins とかが多いです。画面が出るまで単打を繰り返します。 - ブートの順番を決めるメニューで使いたいデバイスを一番目に設定します
既に設定されている場合もあります。メディアが無ければハードディスクから起動します。 - 保存して再起動します
Esc を押すと保存するかどうか聞いてくるものがほとんどだと思います。
◆システムディスクの初期化(データ消去)方法
システムディスク初期化のツールとして
- 「AOMEI Backupper Standard」
- 「wipe-out」
を検討しました。
システムディスクを初期化できるツールは意外と少ないです。
まず、「AOMEI Backupper Standard」を試しました。結果、無料では使えないです。
ブータブルメディアを作成して起動し、いざ削除となった段階で、Pro版でないと削除できないと分かりました。
ネット上の情報では、無料版での削除が可能な様に見えたのですが違っていました。
「wipe-out」は無料でシステムディスクを初期化できます。
「wipe-out」は、ブータブルメディアの作成機能はなく、イメージデータを提供しています。
「wipe-out」は、OS を FreeBSD にしたブータブルなイメージデータを用意していて、FreeBSD 上で動作するツールでハードディスクを初期化します。
ブータブルメディアの作成には「Rufus」1 というツールを使用します。
はじめに「Rufus」でのブータブルメディアの作成方法を、
次に「wipe-out」での初期化手順を紹介します。
◆ブータブルメディアの作成(Rufusの準備と使い方)
ブータブルメディアの作成には「Rufus」というツールを使用します。
現時点での最新版は 4.3 (Windows7 で起動すると警告が出て動きません)ですが、Windows7 で動かすには安定動作版 3.22 を使います。
「Rufus」と書き込むイメージデータは、次のリンクから取得できます。
「Rufus」はインストールが不要でダウンロードしてそのまま起動できます。
【ダウンロード】
- 「Rufus」
- ダウンロード先:Rufus - 起動可能なUSBドライブを簡単に作成できます
リンク先の「他のバージョン(GitHub)」をクリックすると次のサイトにジャンプします - 実ダウンロード先:Index of /downloads
rufus-3.22.exe 2023-03-25 13:54 1.4M Rufus 3.22 (LAST VERSION COMPATIBLE WITH WINDOWS 7)
をダウンロードします
- ダウンロード先:Rufus - 起動可能なUSBドライブを簡単に作成できます
- 「wipe-out」イメージデータ
- ダウンロード先:ハードディスク消去ツール「超消わいぷたん(wipe-out)」
上記リンク先にある表の「バージョン 2.0 (2021-08-08) /FreeBSD 11.3R/ ※ほぼ正式版※」にある
「USBイメージ版」wpout20t.usb
をダウンロードして使用します。
- ダウンロード先:ハードディスク消去ツール「超消わいぷたん(wipe-out)」
◇ブータブルメディアの作成手順
- ブータブルメディア(今回は USB ドライブ)に書き込むイメージテータを取得
wipe-out サイトからツールのイメージデータ USB 用(*.usb
)をダウンロード - USB ドライブを PC に接続
- Rufus を起動
- 画面のデバイス欄でUSBドライブを選択
※「▽詳細なドライブプロパティを表示」をクリックして
「USB接続のHDDを一覧表示」に☑を付けると自動認識 - 画面のブートの種類欄で「選択」ボタンを押しダウンロードしたイメージデータを選択
wpout20t-XXXXXX.usb
が表示されます - 「スタート」ボタンをクリック
- 警告が出るので合っていれば「OK」ボタンをクリック
- 作業中の表示が「準備完了」(緑)に変われば完了
◇手順を画像で
「USB接続のHDDを一覧表示」に☑
◆システムディスクの初期化(wipe-outの使い方)
作成したブータブルメディアをパソコンにセットし、起動します。
起動がうまくいくと「wipe-out」の画面が表示されます。
処理を選択して「OK」をクリックすれば初期化開始です。
◇HDDの消去手順
- ブータブルイメージデータを書き込んだ USB ドライブから起動(BIOS で起動可能にしておく)
FreeBSDで2回入力要求があります
何もしなければデフォルトで進みます
※2回目の入力要求でデフォルトでは 1920×1200 モニタに表示できなかったので下記の選択肢から2番目を選択しました- start wipe-out on KON2(Kanji on colsole)(デフォルト)
- start wipe-out on KON2 fixed for some Laptops(選択したもの)
- start wipe-out on Legacy Console (non-VGA) mode
- start interactive shell, stay in Native console (non Japanese)
- wipe-outが起動されます
画面はこちらのリンクで確認してください
リンク:操作画面 - 処理を選択(クリックか文字入力)してから「OK」ボタンをクリック
(今回は、m
を選択してOK
で上書き方法を選び直し、n
を選択してOK
で実行)
処理メニューの一部(意味が分かる程度に省略しています) - 進捗情報が画面に出ます
RR0
、処理時間:606分(約 10 時間)、対象:1TB
◆USBドライブが正しく認識されなくなった場合の対処
ブータブルメディアを作成しているとドライブのサイズなど、それまで使っていた時と違って認識されたりする場合があります。
その場合、Windows の diskpart コマンドインタープリターでドライブのパーティション フォーマットまたはボリューム フォーマットをすべて削除すると正しく認識するようになります。
◇diskpartの使い方
- Win + R で
diskpart
と入力して Enter - diskpart コマンドプロンプトが出るので以下を入力
- list disk
接続されているディスク情報が出るので対象のディスクの番号を控える - select disk 2
「2」は控えたディスクの番号
間違えると後の処理でディスクの内容が消えるので慎重に - clean
- create partition primary
- exit
コマンドプロンプトを終了
- list disk
- エクスプローラでUSBディスクをダブルクリックすると
フォーマット要求が出るのでフォーマットすると以後使用可能
◆その他のツール
ハードディスクを初期化してしまえば安心なのですが、初期化後のハードディスクを確認できないので、念のためファイルが復元可能かどうかを確認したり、復元できないように削除したりするツールを紹介します。
たくさんありますが、機能別に一つずつだけ紹介します。
ファイルの復元
- Recuva
ゴミ箱から削除されたファイルなどを復元するソフト。
ディープスキャンやフィルタ機能も提供され、任意のキーワードでファイル一覧を絞り込むこともできます。
窓の杜の紹介:「Recuva」誤って削除してしまったファイルを復元できるソフト - 窓の杜
- Recuva
ファイル削除
- 完全削除
ファイルをドロップすると復元できないように削除するソフト。
フォルダごと消すことはできません。
窓の杜の紹介:「完全削除」ファイルの痕跡をのこさず完全削除 - 窓の杜
- 完全削除
ディスクの未使用領域の初期化
- Windowsコマンド
cipher
ディスクの未使用領域を初期化します。OS を残したい場合に有効です。
例:cipher /w:C:
(C ドライブの空き領域の初期化)
オプション/W
:未使用のディスク領域からデータを削除
ゴミ箱から完全削除したものを復元できないように削除します
0x00で書き込み、0xFFで書き込み、乱数で書き込みの3回書き込みを行います
- Windowsコマンド
◆ログインパスワード変更
今回、長く放置していたパソコンだったので、Windows ログインパスワードが分からなくなってしまいました。
そこで、はじめにログインパスワードを変更して、ログインできるようにしました。
ログインパスワードは削除できませんが再設定することはできました。
行き着くところは、コマンドプロンプトで net user
コマンドを実行することになります。
ログインパスワードを変更する方法は、いろいろな方法が紹介されていますが、うまくいかないものが多いです。
以下は、上手くいかなかった方法です。
- セーフモードとコマンドプロンプト選択
Windows の起動方法を選択してコマンドプロンプトを起動する方法です
⇒私の環境ではコマンドプロンプトが起動しませんでした - インストールメディアを作成、セットアップ画面からコマンドプロンプト起動
インストールメディアを作成するためのデータが Win8.1 以降しか取れないし、プロダクトキーが必要
最終的にうまくいった方法を次節で紹介します。
◇スタートアップ修復の起動を使用してコマンドプロンプトを起動
概要は、次の通りです。
Windows 起動中に電源を切ります。
エラー回復画面が出るのでそこからメモ帳を呼び出します。
メモ帳のファイル選択ダイアログでファイル名の変更を行います。
コマンドプロンプトのファイル名を固定キー機能のファイル名に変更します。
再起動してログイン画面で shift キーを5回押すとコマンドプロンプトが動きます。
そこで net user
コマンドでパスワードを変更します。
▽手順
- エラー回復画面からメモ帳を起動
- コマンドプロンプトのファイル名を固定キー機能のファイル名に変更
- メモ帳で、「ファイル⇒開く」の順に選択
- ファイル選択ダイアログで、
c:\windows\system32
フォルダを開く - 「cmd」を右クリックしてコピー(「環境によっては cmd.exe と出る」)
- 貼り付け
- 「cmd-コピー」ができた場合
- 「sethc」を右クリックして名前の変更で「sethc-1」に変更
- 「cmd-コピー」を右クリックして名前の変更で「sethc」に変更
- コマンドプロンプトが起動した場合
ren sethc.exe sethc-1.exe
を実行rcopy cmd.exe sethc.exe
を実行
- 「cmd-コピー」ができた場合
- メモ帳を閉じる
- スタートアップ修復画面のダイアログを閉じる
- スタートアップ修復画面の完了をクリック
- コマンドプロンプトでパスワード変更
- 再起動
- ログオン画面で shift キーを5回押す
- コマンドプロンプトが起動
net user ユーザ名 新パスワード
を入力
- 再起動して確認
- 再起動
- ログイン画面で新しいパスワードが有効になっているのを確認
- うまくいったら「sethc」を戻す
◆さいごに
Windows7 パソコンのシステムディスクを初期化する方法を紹介しました。
今回、ハードディクスを付けたままで初期化したかったので、紹介した方法を取りました。
ハードディスクをパソコンのから取り外していいいなら、もっと簡単に初期化できると思います。
使えるツールももっとたくさん存在します。
ただ、取り外した場合、裸のハードディスクを別のパソコンにセットするか、USBドライブとして接続するためのツールが必要になるので、それらの準備の方が大変な場合もあると思います。
状況に応じて選んでいただければと思います。
2020年1月にサポートが終了した Windows7 搭載のパソコンを処分しなければならない方はそれなりにいるのではないかと思います。
参考になれば幸いです。
◇ご注意
本記事は次のバージョンの下で動作した内容を基に記述しています。
- Windows7 64bit OS
◇免責事項
ご利用に際しては、『免責事項』をご確認ください。
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◆参考
- 「Rufus」サイト:Rufus - 起動可能なUSBドライブを簡単に作成できます
- 「wipe-out」サイト:ハードディスク消去ツール「wipe-out」― 超消わいぷたん
- 初期化方法:無料ソフト(wipe-out)でPCのデータを完全消去する方法(HDD完全消去フリーソフトの利用)|ITの魔力
参考にしたサイトです。本記事よりも分かりやすいかもしれません。 - データ消去方式:全16種類のデータ消去方式 | DiskDeleter | ライセンス数無制限のSSD・HDDデータ消去ソフト
- ログインパスワード:[最終手段]Windows7のログインパスワード忘れたときの対処法。|shomey
- こちらのサイトで紹介されていました:無料ソフト(wipe-out)でPCのデータを完全消去する方法(HDD完全消去フリーソフトの利用)|ITの魔力 ↩